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評価者会議を終えて、目標設定の公平性を保つために考えるべきこと

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GWも終わって5月も半ばとなり、今期も刻一刻と進んでいます。早くしなければと思いながらも妥協だけは誰も幸せにならないから、ずっと議論を続けてきた今期の各個人の目標設定が先日やっと終わりました。

 

前回のブログでも書きましたが、うちの会社は昨年初めて人事評価制度を導入して初めての評価が終わったばかり。しかも、今期に新たに評価者になるマネージャーも数名選ばれたので、人事評価制度が形骸化されないためにもボードメンバーや部長陣と新マネージャーの共通言語を擦り合わせるために納得するまで話し合いました。

 

今回は評価者会議を終えて、これから人事として考えていかなければいけない"目標設定を公平に保つために考えるべきこと"を今の自分なりに書きます。

 

目標設定の考えかたと評価への紐付けかた

まずは一重に目標設定と言っても組織によって考えかたも評価への紐付けかたも違うと思います。これは一長一短があるので組織毎に常に最適解を求め続けるしかないかなと。組織のフェーズによっても最適は変わるだろうし。

 

で、今うちの会社は3つの評価制度が走ってます。大きく見られるのは行動評価成果評価。そこに普遍的なものとして行動指針評価を加えて総合評価とする仕組みになっています。簡単にそれぞれの考えかたと評価への紐付けかたを説明しますね。

  • プロセス評価
    うちの会社ではグレード制を導入しています。グレード制とは等級制度と似ていて、各グレードによって求められる行動要件(コンピテンシー)が定められています。この行動要件は、会社の中というより「社会にいるビジネスマンとして活躍できる人ってこういう行動をしているよね」って項目をグレード別に定めていて、一定期間内にそのメンバーが自分のグレードの行動要件を発揮できていたかを評価します。こういった行動ができる人は良い結果を達成できる再現性が高いので、主に給与に紐づきます。

  • 成果評価
    言葉の通り、一定期間におけるその人が会社にもたらした成果を評価をします。もちろん組織として成果を一番大事にするのは当たり前の考えではあります。でも、成果だけで判断してしまうと運や環境にも左右されることがあるので、再現性があるかというと少し疑問が残ります。とは言えちゃんと評価はするべきなので、主に賞与に紐づけています。

  • 行動指針評価
    これも名前の通り、うちの会社で定めている行動指針を体現できているかを評価します。行動指針は会社としては普遍的なことでもあるので、総合評価するときに加えるようなイメージです。

 

このように評価制度を分けて運用しているのですが、今回のブログテーマである目標設定を公平性を保つために考えたいのは成果評価です。プロセス評価で用いるコンピテンシーや行動指針は既に明文化されているので評価期間毎に照らし合わせれば公平性は保てます。

 

一方で成果評価は評価期間毎の目標を定め、その結果によって賞与の額が決めるので、同じグレード同士の目標レベルがある程度公平に揃っているか?が大事になります。達成度合いによって賞与額が変動するので、目標レベルがデタラメだと同じグレードの人が同じレベルの成果を出したときに、「自分はA評価だけどあいつはS評価で賞与を1.5倍もらっている」なんてことになりかねません。

 

MBOを活用して目標を明確に

もう少し話を掘り下げて、成果評価をどうやっているかを説明します。うちの会社では成果評価を行うためにMBO(Management By Objectives)の方式を用いています。MBOを設定するためのプロセスは簡単に言うと以下の通りです。

  1. 被評価者が全社的な目標と自部門の目標を理解した上で、自分で目標設定する
  2. 評価者と設定した目標が達成されたときに組織として「ありがとう」と言えるものか確認し、必要であれば被評価者と合意のもとに修正する
  3. 評価者全員が参加する評価者会議にて一人ひとり目標設定の妥当性を確認する
  4. 最後にグレード毎に目標設定のレベル感が合っているか確認し決定する

うちの会社ではこんな感じで半期毎に目標設定をしているのですが、実際には今3番まで終わっている状況です。というのも4番は今の段階で合わせることがすごく難しい。

 

プロセス評価や行動指針と違って成果という点でみると、どうしても目標設定するときに定量的な目標になる部門・職種と、定性的になってしまう部門・職種があるからです。例えばセールスは難しそうで、バックオフィスは簡単そうみたいな議論になってしまいます。加えて各部門のマネージャーが集まるので、他部門の目標が「会社のどんな未来につながるのか?」「重要なのか?」がよく分からなかったりもします。

 

うちの場合は半期毎に目標設定するので、どうしても半期毎だと目指している目標自体が大きければ大きいほど、目標の目指す先が他部門には分かりづらくなります。そこで成果イメージを大事にすることにしています。

 

成果イメージを共有する

成果イメージは全ての目標の「最終的にどういう状態になりたいのか」ということです。この成果イメージさえ認識のすり合わせができれば、後は成果イメージが適正か?今期の目標は成果イメージに向かっているのか?を確認していけばよくなります。図で説明しますね。

 

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上図のように成果イメージは、例えば1年後に「社内に情報システムチームを立ち上げ、上場に向けたセキュリティ設計のスケジュールとメンバーをアサインしている状態」だとします。1年後の目標がこんな感じで考えていても、半年後までの目標が「情報セキュリティスペシャリストの試験に合格する」だけ書かれていたら「それって何のために必要なの?」って周りは思いますよね。もっと言うと資格持っている人採用すれば良かったりもするし。

 

バックオフィスなどの目標を定性的になりやすい部門だと、どうにか自分のやるべきことを明確にするために「〇〇の資格を取る」という目標になってしまうのかなと。でも、資格を取ることが成果イメージになることは無いですよね。

  

これは前回の目標設定時に初めて知ってからすごく大事にするようになりました。評価者会議で他の部門と調整するためだけではなく、評価者と被評価者が後々になって「結局なんのためにやっているんだっけ?」を回避できるかなと。目標と成果イメージが明確であればあるほど、目標達成の確立は上がると思います。

  

目標設定の公平性を担保するために

さて話を戻して 、こんな感じで進めている目標設定も評価者会議までは終わりました。で、グレード毎に目標設定のレベル感をどうやって合わせるか?について。結果から言うと、今それを決めることは難しいということが分かりました。

 

正直なところグレードのレベル感が合ってないんじゃないかな?というメンバーもいます。でもそれって蓋を開けてみないと全く同じ仕事をしない限りレベル感が合っているかは分からないと思っています。

 

だからこそ、まずは「このグレードはこれくらいのコミットして、これくらいのメンバーに影響を与えるよね」というのを明文化する努力をし続けるべきと感じました。人事や評価者はこれを怠っちゃいけないなと。

 

もちろん被評価者にとって目標設定はアピールの場でもあるので、次のグレードを目指すのであれば高いコミットをして目標クリアしていくに越したことはないんだけど。賞与という形で還元されるので、ちゃんと成果を出してくれたメンバーにちゃんと「ありがとう」と言って賞与を払えるようにしたいですね。

 

まだまだ自分達は前期の1回分しか結果がありません。なのでまずは明文化するためにこんなことをやろうと思います。

  • 全社員のMBOをグレード毎に切り分けて、各グレードの傾向を調べる
  • 上位グレードになるにつれて、下位グレードとどんな差が生まれているのか確認する(責任の範囲、コミットする業務の難易度など)
  • 評価は半期ごとだが、毎月進捗を確認して達成・未達成の理由を把握する

まずは上記の3つを繰り返しながら、グレード毎の目標レベルに関しても共通言語を創っていくことから始めます。